PTSDの持続エクスポージャー療法―トラウマ体験の情動処理のために

PTSDの持続エクスポージャーを行う人は必ず持っているだろう。これから学びたい人も是非。

　PTSDに対する持続エクスポージャーの治療者用ガイドブック・マニュアル本。PTSDに対する持続エクスポージャーを行う人は勿論すでに有していると思う。これだけ読んで実践できるわけではないが、研修等に出る前に一通り読んでくことが望ましい。

　第1章では治療者のための基本的情報として情動処理理論の基礎情報からPTSDの診断基準や有病率といった基礎的な情報が紹介されている。PTSDの情報が簡潔にまとめられており、持続エクスポージャーを行わない者でも一読の価値があるだろう。第2章ではどのような患者が持続エクスポージャーに向いているか、そしてトラウマの評価方法が紹介されている。

　第3章から第7章まで実際のセッションの内容の紹介がなされている。基本的な内容としては

・心理教育

・現実エクスポージャー

・想像エクスポージャー

・情動処理

が中心となっており、具体的にどのように行っていくか、生じがちな困りごとへの対処法などが載せられている。第8章ではマニュアルに載っていない患者・クライエントが行いがちな回避行動や否定的な情動、困りごとについて、どのように対応すべきかどうかが載せられている。

　PTSDに対する持続エクスポージャーを行いたい者・行っている者は確実に読むべき一冊。

おすすめ度：PTSDへの対応を行っている者には90点

対象者：心理士

PTSDの持続エクスポージャー療法―トラウマ体験の情動処理のために

著者：

エドナ・B. フォア (著), バーバラ・O. ロスバウム (著), エリザベス・A. ヘンブリー (著), 金 吉晴 (翻訳), 小西 聖子 (翻訳), 石丸 径一郎 (翻訳), 寺島 瞳 (翻訳), 本田 りえ (翻訳)

目次
第1章 治療者のための基本的情報
第2章 トラウマ体験者の治療における評価方法と注意
第3章 セッション1
第4章 セッション2
第5章 セッション3
第6章 中間セッション
第7章 最終セッション
第8章 患者に応じた問題の予測と治療の修正:効果的な情動的関わりの促進